2025年同窓会賞

梶谷 誠 氏、津田 邦和 氏の2名が2025年電気通信大学同窓会賞を受賞

同窓会賞の表彰式は、2025年4月4日の午前11時5分から、入学式の終了後に引き続き行われました。司会の目黒会水戸専務理事から、受賞対象者の梶谷氏、津田氏の業績及び受賞対象として評価できる旨を説明し、目黒会森会長から表彰状・記念品を授与しました。続けて、同窓会賞を受賞した梶谷氏と津田氏が、新入学生に対して、それぞれ15分程度、興味深い講演をして戴きました。


同窓会賞の概要

電気通信大学は現在までに多数の卒業生を送り出しています。世界の各方面で活躍している卒業生のうち、科学技術の研究業績ならびに社会貢献が特に顕著な方に、電気通信大学同窓会「一般社団法人目黒会」が「電気通信大学同窓会賞」を授与してその功績を称え、同窓生の方々にも広く認めていただくことにしているものです。1995年からこれまでに37人の方々が受賞されています。

受賞者:梶谷 誠(かじたに まこと) 氏 経歴と業績

(経歴)
1964年 電気通信大学電気通信学部通信機械工学科卒業
1971年 東京工業大学大学院理工学研究科機械工学専攻博士課程修了
1971年  電気通信大学短期大学部講師
1989年 電気通信大学電気通信学部教授
2000年 第10代電気通信大学長
2004年 信州大学監事
2008年 第12代電気通信大学長
2014年 電気通信大学学長顧問  現在に至る

(業績)
梶谷誠氏は、2000年及び2008年に電気通信大学長に任命され、2014年退任後は学長顧問として本学の発展に尽力されています。
梶谷氏は、超精密計測の研究に取り組み、磁気スケールの記録法の確立や実用化に貢献しました。さらに、その過程で開発した超精密自動校正システムは、日本のロータリエンコーダの校正標準となり、FA分野から計測、OA機器、医療機器、航空、宇宙分野へとその用途が拡大しています。また、世界に先駆けて開発した演算式歯形測定機は、現在世界の標準的方式となるなど、氏の研究の先見性は高く、国内外の工業界の発展に多大な功績を挙げました。
「樂力」をモットーにした「ものづくり教育」に情熱を注ぎ、ロボメカ工房等の設立に取り組む一方、大学発ベンチャー企業の創設、コラボ産学官の設立やスーパー連携大学コンソーシアム設立など産学官連携の推進、現在のUECビジョンに繋がる「高度コミュニケーション社会に貢献する」という理念提唱など、教育、研究、大学運営の全てにおいて本学の発展に多大な貢献をされました。

受賞者:津田 邦和(つだ くにかず) 氏 経歴と業績

(経歴)
1978年 電気通信大学電気通信学部経営工学科卒業
同年㈱リコー入社 新規事業開発部リーダー等歴任
1999年 NPO・ASP インダストリ・コンソーシアム・ジャパン設立 常務理事 技術部会長
2007年 NCRI㈱設立に参加
2008年  任意団体・ネットコンピューティングアライアンス代表
2014年 電気通信大学大学院情報システム設計学専攻博士後期課程修了
2020年 NCRI株式会社 代表取締役社長
2024年 NCRI株式会社 会長 現在に至る

(業績)
津田邦和氏は、日本のクラウドサービスの黎明期から現在に至るまで研究開発・ビジネス創出と人材育成に重要な貢献をされ、「日本のクラウドの父」とも評されています。
1999年には日本初のクラウド推進団体NPO ASPインダストリ・コンソーシアム・ジャパンを設立し、総務省「公共ITにおけるアウトソーシングに関するガイドライン」「データセンターガイドライン」等の初版策定に従事、2006年にはアジア初のクラウド関連国際会議となる「日韓共同ASP ワークショップ」を事務局長として開催、2007年には総務省「ASP・SaaS普及促進協議会」を設立する等、クラウドという用語もない黎明期から政府と日本の業界の取り組みの方向性とビジネス創生に貢献されました。
また、スマートフォンとクラウドを活用したビジネスの創出と普及を推進するとともに、総務省委員会でデータセンターの消費エネルギーが増大し将来の社会問題となることを提言しつつ、再生エネルギー活用のグリーンエナジーデータセンター技術の発案・創出等、データセンターエネルギー消費低減技術の研究に大きく貢献されてきました。

<取材:広報委員会>

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