今年のスマートテクノロジーフォーラム(STF)は、より多くの方に気軽にご参加いただけるよう、対面とオンラインによる初めてのハイブリッド開催となりました。
「空のMobility~ドローンから空飛ぶクルマまで~」というテーマで、2024年9月27日(金)13時30分に予定通り開催し、対面参加約40名、オンライン参加約90名、合計約130名の方々にご参加いただきました。
盛況のうちに終了することができましたことを、講演者の皆様、参加いただいた皆様に御礼申し上げます。
フォーラムは、まずSTF会長三木哲也電気通信大学名誉教授により本フォーラムの開催趣旨、講演内容をご説明いただき、「空のMobility~ドローンから空飛ぶクルマまで~」をテーマに日本UAS産業振興協議会副理事長 千田泰弘氏、情報通信研究機構主任研究員 三浦龍氏、産業技術総合研究所主任研究員 岩田拡也氏、運輸総合研究所ワシントン国際問題研究所研究員 釣慎一朗氏の4名の講演者にご講演いただきました。
最初に講演1では千田氏から「ドローンの現状とレベル4以後の世界」と題して、ドローン誕生から現在までの大まかな経緯を紹介いただいた後、ドローンの語源やドローンと空飛ぶ車の違い、飛行形態の推移、米国におけるホビー用から産業用利用への急速な拡大の話などをしていただきました。続けて米国のドローン関連法や従来の航空法および関連法、レベル4の安全規則や実施体制などを紹介いただきました。また、目視外飛行における動力源や機体構造などの技術課題、最後にレベル4以後の方向性についてお話ししていただきました。
講演2では、三浦氏から「レベル4時代の安全なドローンの運航を支える無線通信」と題し、ドローン関連規制の進展や、ドローン飛行の安全運航に直結する電波の課題について説明があり、その課題解決のために中継制御通信技術、機体間通信技術、自立追従飛行や自立衝突回避などのいろいろな取り組みを紹介いただきました。
講演3では、岩田氏から「ドローン用の全固体電池と電池試験技術開発状況」と題し、ドローン用の電池として従来はリチウムイオン電池が採用されていましたが、容量・重量・劣化・価格・発火などの問題から全固体電池が実用化されるとドローンの性能と安全性が向上する話がありました。特に全固体電池が完成するとドローンの航続距離が改善し、発火事故が減り、長時間使用できるメリットを具体的に紹介いただきました。
講演4では、釣氏から「米国における空飛ぶクルマの最新動向」と題し、米国ワシントンからのリモートで空飛ぶクルマの定義から始まって、3種類の機体の紹介とあわせて各国メーカーにおける開発事例を紹介いただきました。続けて米国における空飛ぶクルマに関する政策や取り組みに関する最新動向を紹介いただき、最後に日本における空飛ぶクルマの実用化に向けて国際調和の重要性や人材育成の必要性について話がありました。
今後も本フォーラムでは、参加者のアンケート結果を参考にして参加者の興味・関心の高いテーマを選定し、参加者に有益となる情報を提供していきたいと考えております。
次回もぜひ皆様のご参加をお待ちしております。