「スマートテクノロジーフォーラム(STF)2023」開催報告

今年のスマートテクノロジーフォーラム(STF)は、土曜日の午後の開催となり、気軽にご参加いただけるようにZoomウエビナーによるオンライン開催となりました。
「デジタルで教育はどう変わるか」というテーマで、2023年9月9日(土)14時に予定通り開催し、約 80名の方々にご参加いただきました。
盛況のうちに終了することができましたことを、講演者の皆様、参加いただいた皆様に御礼申し上げます。

フォーラムは、まずSTF会長三木哲也電気通信大学名誉教授により本フォーラムの開催趣旨、講演内容をご説明いただき、「デジタルで教育はどう変わるか」をテーマに電気通信大学教授 植野真臣先生、電気通信大学准教授 宇都雅輝先生、北海道教育大学講師 佐藤正範先生、早稲田大学理工学術院教授 深澤良彰先生の4名の講演者にご講演いただきました。

最初に講演1では「教育ビッグデータを用いたCBT(Computer Based Testing)」の講演タイトルでお二人の先生にご講演いただきました。

はじめに植野先生からは、「CBTの最先端技術による電通大の教育DX革命」と題して、CBTの概要、CBTの公的試験への普及状況、AI時代における思考力を評価する必要性、データサイエンスとしてのeテスティングの紹介、電通大のCBT運用の概要と特徴(思考力を測定できるテストを実現)、今後の予定(履修科目からのドロップアウト予測など)などを紹介していただきました。

続いて宇都先生からは、「人工知能を用いた記述式回答自動採点の最先端技術」と題して、人工知能を用いた自動採点技術の必要性、深層学習を用いた自動採点手法の紹介、論理構造を考慮した深層学習自動採点モデルの紹介、評価者特性の影響を取り除いた自動採点モデルを実現した話、近年の自動採点研究トレンドなどを紹介していただきました。

講演2では、佐藤先生から「EdTechが支える学校教育の未来を考える」と題し、簡単な自己紹介のあと、教員養成現場における講義の実例、GIGAスクール構想の話、情報活用能力の育成事例、学校における探求の具体例などを分かりやすく紹介していただきました。特にChatGPTの事例として、宿泊行事の宿舎の管理人さんへのお礼の手紙をChatGPTが作成した文では、各個人の実体験や感動が含まれないことの指摘がありました。

講演3では、深澤先生から「リスキリングの現実とJMOOCへの期待」と題し、日本におけるリスキリングの現状、社会人の学習や自己啓発活動への取組状況(自己啓発活動を半数近くが実施していないという実態)、eラーニング市場規模予測、世界のオンライン教育MOOCの状況、日本におけるJMOOCの現状と問題点(履修証明書としてのオープンバッジなど)などを紹介していただきました。

終了後のアンケートでは、ほぼ全員の方より「満足」「やや満足」と回答をいただきました。感想の中には「大変勉強になりました」「時勢にマッチしていてよかったです」という声をいただき、高評価を得たフォーラムとなりました。

今後も本フォーラムでは、参加者のアンケート結果を参考にして参加者の興味・関心の高いテーマを選定し、参加者に有益となる情報を提供していきたいと考えております。
次回もぜひ皆様のご参加をお待ちしております。