2022年同窓会賞

石上 忍 氏、2022年電気通信大学同窓会賞を受賞

2022年同窓会賞は1992年大学院 電気通信学研究科 電子工学専攻を修了された石上忍氏が受賞されました。
同窓会賞の授与式は、例年ですと2022年4月6日(水)の入学式の終了後に引き続き同窓会賞の授与式と講演を行う予定ですが、今年も3年続けて新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から入学式の時間短縮のため授与式は中止となりました。
授与式および記念講演は別途行うことといたします。

 

同窓会賞の概要

電気通信大学は現在までに多数の卒業生を送り出しています。世界の各方面で活躍している卒業生のうち、科学技術の研究業績ならびに社会貢献が特に顕著な方に、電気通信大学同窓会「一般社団法人目黒会」が「電気通信大学同窓会賞」を授与してその功績を称え、同窓生の方々にも広く認めていただくことにしているものです。1995年からこれまでに34人の方々が受賞されています。今年は1名の方が受賞されました。

受賞者:石上忍(いしがみ しのぶ)氏 プロフィールと業績

(経歴)
1990年 電気通信大学 電気通信学部 応用電子工学科 卒業
1992年 電気通信大学大学院 電気通信学研究科 電子工学専攻 修了(修士)
1992年 電気通信大学 電気通信学部 電子工学科 助手
1997年 工学博士(電気通信大学)
1999年 郵政省通信総合研究所電磁環境研究室 研究官
2000年 郵政省通信総合研究所電磁環境研究室 主任研究官
2004年 独立行政法人情報通信研究機構EMCグループ 主任研究員
2011年 独立行政法人情報通信研究機構電磁環境研究室 研究マネージャー
2016年 東北学院大学 工学部電子工学科 教授

(業績)
石上忍(いしがみ しのぶ)氏は、卒業以来EMC(環境電磁工学)の分野において長く研究者として活動し、特にEMC国際標準策定、とりわけ基本イミュニティ試験およびエミッション測定方法の分野においては日本のみならず世界の第一人者の一人と認められる業績を挙げられてきました。
業績の詳細としては、EMC国際標準であるIEEE Standard for Calibration of Electromagnetic Field Sensors and Probes (Excluding Antennas) from 9 kHz to 40 GHz, (IEEE Std. 1309:2013)の策定に際し、日本からの国際エキスパートとしてIEEE P1309会議に参加されました。IEC活動推進会議 ACEC分科会 分科会長、電気学会 放電・静電気に起因する電子機器の故障・誤動作防止調査専門委員会 委員長などの要職を務められ、5つの国際規格・勧告の策定に多大な寄与をされています。
これら一連の国際標準策定活動に対し、2013年に権威あるIEC 1906 Awardを受賞されています。
研究者としての成果は、7つの書籍の分担執筆、査読付外国論文が28件、査読付国内論文が19件、更に査読付国際会議論文(外国語)が75件(うち筆頭が30件)、口頭発表が166件であり、正に世界一線の研究者であります。
さらに2020年に科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞およびIEEE EMC Society, Technical Achievement Award(同年の同賞受賞者は4名)といういずれも権威ある賞を受賞されたことで、同氏のEMC分野における研究者および国際標準化策定貢献者としての長年の業績が国内外で極めて高く評価されています。

<取材:広報委員会>

今までの受賞者一覧はこちらから