[スマートテクノロジーフォーラム]
STF<2019>/ STF開催報告

社会貢献委員会委員長 水戸和幸

2019年9月26日(木)の午後1時~午後5時30分に渡って、スマートテクノロジーフォーラム2019(STF2019)を清々しい秋空の下、電気通信大学B棟202教室にて開催致しました。

フォーラムには、会員(卒業生)、企業、学生、地域の方、約100名が参加され、盛況のうちに開催することができました。これも、会員をはじめとする参加者の皆様のご協力のお陰と感謝する次第です。誠にありがとうございました。

今回のフォーラムは、超高齢化社会に突入し、健康寿命の延伸が重要政策となっている我が国において、進歩の著しい医療テクノロジーに焦点をあて、「人生100 年時代に向けて~医療用テクノロジーの進歩と可能性~」をテーマに取り上げ、4名の講演者を招いて開催しました。

講演会に先立ち、冒頭に当委員会STF会長の三木哲也名誉教授より本フォーラムの歴史と開催趣旨、4件の講演内容についてご説明をいただきました。

最初の講演では、国立大学法人電気通信大学教授の小池卓二先生より「医工連携への期待~耳鼻咽喉科領域における医工連携研究の事例~」と題して、従来の医師の感覚や経験に頼っていた耳小骨可動性を定量的に計測できる耳小骨可動性計測装置の開発、埋め込み型骨導補聴器の開発、近赤外線による誤嚥検出法の開発などを紹介いただきました。特に、ハウリングなどで不人気なイヤホン型の補聴器に代わる埋め込み型骨導補聴器の開発においては、小型であり低侵襲であること、衛生管理が容易である点から実用化に向け有用であると感じました。

2番目の講演では、国立大学法人東京農工大学名誉教授の朝倉哲郎先生より「絹の素晴らしい構造と小口径絹人工血管の開発」と題して農工大に奉職した理由から始まり、絹の構造の素晴らしさ、再生医療材料としての絹の優れた特性、小口径絹人工血管の動物への移植例とその有用性などを紹介いただきました。なかでも移植後の小口径絹人工血管の開存率(詰まり難さ)が85 %と通常の人工血管の2倍以上の値である点には驚き、今後の研究発展が楽しみとなりました。

3番目の講演では、国立大学法人電気通信大学助教の田仲真紀子先生より「DNAの多様な形態とその機能~化学の視点からのDNA研究~」と題してDNAの一般的な形態、生体に備わるDNA 修復機構の例、光によるDNA 損傷、DNA 内電子移動など、DNAのしくみと最新研究について分かりやすく紹介いただきました。特に、DNAは共存分子や周辺環境に応じて多様な形態を取ること、形態変化によりその特性を変化させる点には驚かされました。今後、更に研究が進み、発病予測やオーダーメード治療などに発展することが期待されます。

最後の講演では、国立大学法人静岡大学特任教授の竹林洋一先生より「みんなの認知症情報学による自立共生支援AIの研究」と題して認知症は病名でないこと、脳細胞の老化による認知機能の低下、認知症のケアにおける人間中心AIの重要性、認知症情報学に基づく価値創造研究プラットフォームの構築などを紹介いただきました。超高齢化社会は、誰もが経験したことが無い世の中であり、その問題解決において専門性や立場を越えた活動と科学技術の発展に加え、人間中心の人工知能(AI)の深化と利活用が必要であることを考えさせられました。

参加者の方々も熱心に耳を傾け、各講演での質疑応答も活発で、時間の関係ですべてのご質問をお受けすることができない場面も多々ありました。本講演会が、参加者皆様の仕事、生活においてお役に立つことができれば幸いです。

スマートテクノロジーフォーラムの講演終了後は、大学会館2階に場所を移し、ご講演いただいた2名の講演者の先生方、参加者、スタッフで懇親会を行いました。三木先生の開会挨拶、福田学長の挨拶に続き、社会貢献委員会副委員長の杉山氏による乾杯の音頭ではじまり、参加者同士、講演者の先生方とよりいっそう親睦を深めることができました。また、今後のフォーラムに対する期待やテーマの提案など、多くのご意見やご要望を頂きました。次年度のテーマ選定に向け、大いに参考にしたいと思います。懇親会の最後は、社会貢献委員会委員長の水戸の挨拶でお開きとなりました。

最後までご参加いただいた皆様、会場の準備、運営にご尽力いただいたスタッフの皆様に感謝し、スマートテクノロジーフォーラムおよび懇親会の報告といたします。