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趣味時田 清(1968 応用電子工学科入学)
掲載:2025年7月20日
【好きな本】
「細胞生物学者・歌人が贈る人生後半への応援歌」と謳う永田和宏著『人生後半にこそ読みたい秀歌』朝日新聞出版。
永田は団塊世代&「理系」歌人*という視点で親近感がある。
本書は永田のエッセイというより、主として近現代の短歌を読みながら「中年期以降にどのような問題が起ったか、どのように対処したか、どのような喜びが生れたか」等を鑑賞⇒多くの歌人のエッセイ的側面が強いし、永田もそうであるが多くの歌人が中年期まで会社員・教師・学者等との二刀流であったことが中身をより濃くしている。
短歌初学者としてはその時の対処法、喜びをどのように三十一文字に収めたかも興味深い。
永田の面目躍如は、「はじめに」で「高齢化社会の問題は哺乳類の性成熟年齢と寿命の相関性からの逸脱(子孫を残す能力の失ったものは淘汰されるが人類は科学で高齢化)が一因」と看破したこと。
*掲出「短歌を詠む科学者たち」「科学を短歌に読む」もお勧め。