【好きな本】
「五重塔」幸田露伴
主人公が心血を注いで建てた五重塔が荒れ狂う暴風雨にも倒れなかったように自分で考え抜いて設計したものに確信をもって困難に臨む精神性は人生の教科書になった。

「蘇我氏-古代豪族の興亡」倉本一宏
蘇我氏本宗家は乙巳の変で滅亡したが、同族の田口氏は平安期に嵯峨天皇皇后-仁明天皇国母となる橘嘉智子を輩出し天皇家の外戚になった。
田口という何の変哲もない名字に古代のロマンがありました。

「右大臣実朝」太宰治
執筆時の皇国史観への忖度か、承久の乱や蘇我氏を悪しざまに表現しているが、語り手である実朝に仕えた近習は実朝のことが好きだったという太宰自身だと思えてくる。

「戦う操縦士」サンテグジュペリ
ナチス独に敗色濃厚なフランス空軍での決死の偵察任務を通して戦うざるを得ない作者の思索と箴言は胸を打つ。
当時のヒットラー「我が闘争」に対する民主主義側からの回答と評された。

サンテグジュペリがアラスへの偵察飛行で操縦した機体です。フランス空軍のブルーがうまく再現出来なかったので、自衛隊の陸上迷彩風のカモフラージュにしてみました。