【好きな本】
「歌集『ゆうすげ』美智子」は昨年岩波書店から出版された上皇后様の歌集。「出版のお手伝いをした者」という歌人永田宏和が述べている通り＊「初めて著者名が歌集に載せられたことで一人の歌人の歌として読んでほしい」という編集コンセプトの甲斐あって収録された歌には家族や生活、社会そして自然への深い（誤解を恐れずに言えば「素直な」）思いが籠っていると感じました。短歌初学者にとって大変感銘を受けた一冊となりました。
＊美智子さまにはこれまでに『ともしび』『瀬音』の二冊の歌集があるが、信じがたいことに、これまでは歌集に著者名が記されてなかったのである。今回の『ゆふすげ』で初めて著者名が歌集に載せられた。美智子さまの歌は、皇太子妃、皇后といったバイアスをかけずに、一人の歌人の歌として読んでほしいという思いから、今回は著者名「美智子」を入れるよう強くお願いをしたのであった。（歌集『ゆふすげ』 | 塔短歌会より）

【私の好きな本】歌集「ゆふすげ」美智子