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47生揚げは、木綿豆腐を厚めに切り水分をさらに抜いて高温の鍋で揚げればできます。がんもどきは、木綿豆腐の水分を抜きこれに大和芋をつなぎとして加え銀杏、人参、ごま等を混ぜ込んで団子を作り、油揚げほど膨らみませんが低温の鍋で膨らまし、高温の鍋で仕上げます。生き物の殺生を禁じられた坊さんが雁に似た(がんもどき)食材として作ったとも言われています。高野豆腐は、冬場余った木綿豆腐を夜間外に晒し凍らせて作ったもので、家庭でも質の良い木綿豆腐を冷凍庫に入れておけば美味しい高野豆腐が簡単にできます。一般に売られているスポンジのようなしみ豆腐にはなりませんが本当の高野豆腐が楽しめます。子供の頃は東京も冬場は今より寒く売れ残った豆腐で高野豆腐を作り常連さんにおまけで差し上げていたのを思い出します。四 スーパーの豆腐と豆腐屋さんの豆腐何が違うの現在豆腐作りに使われる凝固剤には①塩化マグネシウム含有物(苦汁)②硫酸カルシウム(すまし粉)③グルコノデルタラクトン(GDL)等があります。①と②は大豆の水溶性タンパク質を金属イオンで凝固させる方法で、③は酸で凝固させる方法になります。豆腐屋さんでは①の苦汁を使って豆腐を作っていますが、苦汁は反応が早く舌触りの良い美味しい豆腐を作るには苦汁を素早く均等に混ぜ合わせる熟練した技術が必要なのです。豆腐屋さんで絹ごし豆腐を扱っている店が少ないのは濃い呉汁を使って絹ごし豆腐を作るのが難しいからで、本当の絹ごし豆腐は味も濃く美味しいです。スーパーなどで安価な価格で売っている豆腐は、②や③の硫酸カルシウムやGDLを使っていますが、これがよくできていて、水も一緒に固めるので、少ない量の呉汁からでも味は薄いが収量が多く舌触りの良い絹ごし豆腐のようなものも作ることが可能なのです。以前スーパーでは絹ごしが主流だったのも解るでしょう。また、大豆の代わりに脱脂大豆(大豆油の絞りかす)を使って作った豆腐もあります。これらの豆腐は味も薄く、これが当たり前となって、豆腐屋さんの豆腐は味がすると返品された例もあるとか聞きます。五 天気で一喜一憂する豆腐屋さん今では様変わりしていますが、以前は遠足や運動会の前日はお稲荷さん用に油揚げが沢山売れましたし、雨が降ると鍋を持って豆腐を買いに行くのも億劫なので買いに来ません。豆腐は生ものなので、もし売れ残ったら全て捨てなければなりません。翌日の天気予報や行事で生産量を決め丁度売り切れた時、朝早くから頑張った甲斐があったヨシヨシと豆腐屋さんは思うのです。六 余談真偽の程は判りませんが、豆腐と納豆は遠い昔に名前が入れ替わったという説もあります。納豆は大豆を発酵(豆腐)させた食品で有り、豆腐は大豆のタンパク質を凝固させ箱に納め(納豆)て作ったからと言う話があります。なるほど一理あると思いませんか。members’ voice

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