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46調布ネットワークVol.26-2家庭の事情で豆腐屋をしながら大学生活を送った経験をもとに「心の旅 豆腐屋の心」などと気取ったタイトルで豆腐について何か書いてくださいと、おだてられ書き出したのは良いが、なかなか話しが纏まらない。やはり私には文才が無いのだと改めて悟らされて、さてどうしたら良いのかと思案した結果豆腐の作り方から意外と知らない豆腐について書いてみることにした。一 基本的な豆腐の作り方大豆を半日程水につけてふやかすと、元の大豆の3倍程に膨れ上がります。これを石臼(家庭ではミキサーなど)で細かく磨りつぶします。磨りつぶしたものを生呉といい、これに水を適量加えて大釜(近年ではボイラーの高熱水蒸気)で煮ます。煮上がったものを木綿等で作られた布袋にいれて濾します。濾された乳液上の汁を呉汁(一般では豆乳)と言い残った糟がおからです。呉汁の温度を75~70度に保ちそこに苦汁(海水から食塩を晶出させた後の溶液で苦みを持ち主成分は塩化マグネシウム)を打ち(呉汁をかき混ぜながら入れる)固めたものが豆腐で呉汁の濃さによって柔らかなものや硬いものができます。二 木綿豆腐と絹ごし豆腐の違い皆さんご存じの木綿豆腐と絹ごし豆腐。木綿豆腐は少し薄めの呉汁に苦汁を打って作ったおぼろ豆腐を、水分が抜けるように直径5mm程度の穴を幾つも空け内側を木綿で覆った箱に入れ、箱の上から適当な圧力を掛けて水分を抜いて固めた豆腐、かたや絹ごし豆腐は濃いめの呉汁を作り、これを穴の無い箱の中に入れ苦汁を打ってそのまま固めて作ります。その作り方の違いから、木綿豆腐は豆腐の切り口がぶつぶつと穴が空いているのに比べ、絹ごし豆腐は切り口がつるつるとして見た目が絹の様になめらかなのでこうした名前が付けられたようです。また、昔の木綿豆腐は今に比べて水分を沢山抜き硬めに作っていたため食感もごろごろとしていましたが、絹ごし豆腐は今も昔も見た目同様食感もなめらかです。三 豆腐の加工食品による豆腐の作り方の違い豆腐の加工食品としては油揚げ、生揚げ(厚揚げ)、がんもどき(飛竜頭)、高野豆腐(しみ豆腐)がよく知られています。このなかの殆どの製品は木綿豆腐を加工して作られますが、油揚げだけは豆腐の製造過程から違った作り方をします。油揚げの豆腐は、極端に言えば半生で微粒の豆腐を作りそれを形成し、油で揚げて製品になった時に生で無くなるように作ります。また、油揚げを揚げる時は低温の鍋と高温の鍋の二つの鍋を使い低温の鍋で膨らまして、二倍ほどに膨らんだ所で高温の鍋に移しからっと仕上げます。揚げたては本当に美味しい、焼いて温めてもこの味にはなりません。members’ voice意外と知らない豆腐の話山森信生(S44JE)

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