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37すけど、米国の企業で働く同僚のエンジニアというのは日本のエンジニアと比べたらいろいろな面で、できることが遥かに限られていました。というのは、日本のエンジニアというのは大学で学んでいることもありますし、会社の中でも割と様々な教育を受けてきています。アメリカの企業では社員は「私はこれできます」と言ったらその仕事を追求できるので、それ以外のことは必要ないのです。私は特別優れた技術は持っていませんでしたが、何でもできるだろうという自負はありました。そんな目で同僚を見ると、できないことが多いと感じました。でも彼らは自分ができることに非常にプライドを持っていて、そういうエンジニアほど会社側も評価するんですね。なので基礎があって自分はこういうのができるのだ、というのが大事です。大竹 シリコンバレーでは、住居費や食費も含めて生活費という面では日本と比べてどうなのですか? 中島 シリコンバレーも生活面でいえば、この20年ですっかり様変わりしました。私のように日米間という眺めでみると、経済面では、特に大きく変わってきました。日本にまだ元気の余韻が残っていた90年代、本当の意味での円が強い円高であり、米国に移ってからというもの見るもの聞くもの「安いなあ……」と感じていたものです。しかしながら、その後日本も米国も、経済面で色々なことが起こったものの、シリコンバレーにおいては総じて右肩上がりといっても過言ではなく、今や米国でも1位、2位くらいに生活費が高いところとなり、実感としてもその通りです。デフレ気味となっている日本と比べることに無理があるかもしれません。特に住居費が一番高い。  生活費で括るとすれば、要するに日本でいうサラリー平均の2~3倍くらいはかかります。日本は給与平均が400万円~500万円と言いますよね。シリコンバレーでは、エンジニアクラスで年間10万ドルくらいです。マネージャクラスともなれば12万~15万ドルぐらいになります。米国では貧富の差が激しいですから、もちろん、給与、収入の低い職業の方々もたくさんいます。男女差はありませんので、共働きや家族総出の労働なども当たり前です。それなりに生活をしていくことはできます。でも、日米間という目で見て、また、日本から来られるということを考えると、ある程度の覚悟、あるいは職業(収入)選択に目標を持って来られることをお奨めします。大竹 本日はありがとうございました。支部だよりSan Francisco上空 DowntownとTreasure Island

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