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36調布ネットワークVol.26-2ら、と思い始めていました。まだ家族は夫婦二人でしたので、気楽な感じでしたし、グリーンカードを取得して永住権も持っていました。 ただ、住友金属鉱山を退職すると、両社間の契約上、Flextronics社には残れないことになっていたため、マーケティングの仕事を主体に独立することにしました。幸運なことに、住友金属鉱山に最初の大口顧客となっていただいたので、うまくK-NETS Consultingを立ち上げることができました。 コンサルタントというのは、自分の知識や経験の範囲で、お客さまのために自分の時間を切り売りして手助けをするような仕事です。ですから1人でも起業が可能なのです。 よくよく周りを眺めてみるとシリコンバレーでは同じような仕事をされている方がたくさんいました。そこでその人たちに声をかけて、「私が分かることは私がやります」「貴方が分かることはお願いします」というように仲間(ネットワーク)を作っていくことで、様々な分野の人と、グループでする仕事も増えていきました。大竹 2010年にはNPO(非営利団体)のJABIを立ち上げていますね。中島 JABIはJapan America Business Initia-tivesの略称で、日米間のビジネス進出を手助けする団体です。コンサルタントだけでなく弁護士、会計士、保険、銀行、不動産などの日系人専門家も含めて組織化をしています。非営利団体として、ビジネスだけではなく、シリコンバレーでの生活やインフラの部分に関してもサポートできるような組織を作りました。大竹 今の若い人は不安定を嫌がる人が多いように思いますが、中島さんから何かアドバイスはありますか?中島 やはり、今以上のやりがいや楽しさなどを目指すからやっていけるのだ、と思います。確かに会社の中で安定した組織の一員としてぷかぷかと浮いている感じでやるのも面白いけれど、やはり、この先に、その上に、さらに楽しい場所があるんじゃないかということで常に前に歩いていくということが大切だと思います。たまには谷底に落ちますけれど、そしたらまた上を目指せばいいだけで、勿論その人の性格にもよると思いますが。下ばかり見ている性格だと常に谷底を見ながら且つ這い上がろうという考え方になっちゃいますけど、僕なんかは足元を見ないで上ばっかり見ちゃいますから、時々ぽんと谷底に落ちちゃいます。それでも上を見ています。たぶん単純なんですね。 そういう単純な考え方をしてみると、結構問題なくチャレンジできるのかなと思います。運も必要かもしれませんが、安定が必ずしも良いかどうか、本当に面白いことがあれば、自分も参加してスタートアップ(ベンチャー起業)企業に参加したり、お手伝いするのも楽しい仕事です。「何でもできる」より「これができる」が評価される社会。大竹 若い人がアメリカで生活したい、仕事したいというのもいいのだけれど、柱になるものを持っていたほうがいいんじゃないかなと思いますがどうですか?中島 何をやりたいか明確になっていることが重要。それと基礎があって何ができるかということは明確にしていたほうがいいですね。そうしないと向こうに行ってもまず仕事が見つかりません。「私何でもできます」と言う人はアメリカではなかなか雇ってもらえません。逆にいうと私は日本からアメリカの企業に行ったわけで

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