chofunetwork26-2
24/54

22調布ネットワークVol.26-2データの活用による可能性は限りがなく、既に多くの試みが始まっており、そのインパクトに注目が集まっています。このような背景の下に、次の4件の講演からなるプログラムとしました。最初に、電気通信大学の田中繁氏による「ビッグデータを活用した神経科学における研究」について、続けてKDDI 研究所の杉山敬三氏による「ビッグデータとM2M通信技術」について講演頂きます。その後、事例として本田技研工業の今井武氏から「安全で快適なモビリティー社会を目指した、ビッグデータの活用」と題して道路交通への活用について、さらに日本電気の中村慎二氏から「ビッグデータによる価値創造 ~ 最先端の分析技術とその活用例 ~」と題して画像による監視、多種センサーによる故障予測、その他の活用事例について講演頂きます。これらの講演により、今後の社会・産業におけるビッグデータへの理解が深まることを期待しています。「スマートテクノロジーフォーラム」と称するこの催しは、今回が2年目となります。このフォーラムの前身は「移動体通信研究会」でして、一昨年までに55回開催してきた目黒会の伝統ある学術活動でした。しかし、次に申し上げるような理由から会の名称を「スマートテクノロジーフォーラム」と変えて、新たな時代に対応する催しへと衣替えをした次第です。移動体通信は、この20年ほどの間に目覚ましい発展をとげ、スマートフォンをはじめ、いまや生活や産業に無くてはならない技術に発展しました。これからは、移動体通信を含むICT(情報通信技術)は、これまでの携帯電話やインターネットにおける通信サービスの高度化や生産・ビジネス活動の高度化に留まらず、農業・食品、医療・福祉、教育、観光などあらゆる社会活動の高度化に不可欠な基盤技術として発展する段階になって来ました。グローバル化した産業界に「新たな価値の創造」が求められ、ICTをはじめ先進的な技術によるイノベーションが注目されています。特に我が国は、少子・高齢化、農業、エネルギーなどの課題先進国と言われて久しいですが、これらの問題解決においても先進的な技術力をもって対処していく必要があります。このように移動体通信を含むICTの役割は新たなフェーズに入ってきたと思われます。このような観点から「スマートテクノロジーフォーラム」は、目黒会会員が活躍されている多様な領域に関わる基本的な課題やホットな新技術に対象を広げて、これからの社会や産業において注目すべきテーマについて学び議論する場を目指すことにしました。今回のテーマは、最近急速に関心を集めているビッグデータを取り上げ『ビッグデータ活用のインパクト』としました。コンピュータの処理能力が飛躍的に増大したことにより、日々蓄積される膨大なWebやメールの情報、あるいは各種のセンサー情報を分析・活用することで、従来の統計処理などでは不可能だった利用価値の大きい結果が得られることが明らかになってきました。ビッグスマートテクノロジーフォーラム(STF)「ビッグデータ」の活用による可能性は限りがなく、そのインパクトに注目が集まっている電気通信大学 名誉教授 三木 哲也2014ご挨拶

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です