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26調布ネットワークVol.26-1できましたし、また電気通信大学の立派な多くの先生方とも知り合うことができました。これらは何物にも代えがたい私の財産です。電気通信大学での20年は、いろいろなことがありました。学科長も何度かさせてもらったし、また大学院教務委員長も経験させていただきました。立場上、何人かの先生方と対立することもありました。事務局の皆様にはおおいに助けていただきました。さまざまな学生との出会いもありました。一生懸命に論文に取り組み、海外の学術雑誌に論文を掲載した学生もおりましたし、また一方で、発表会での原稿がわかりにくいから書き直すように指示すると「オレの原稿が悪いわけはない」と食ってかかる学生もおり、苦労しました。研究面ではアルゴリズム分野と組合せ論の分野でいくつかの論文を掲載することができましたし、それなりに学会にも認めていただけるようになりました。今後も研究を続け、もう少し結果を残せるよう努力していく所存です。国立大学は設備面や研究費などで、私立大学に比べると恵まれています。一方で社会や文部科学省の反応を見ていると、電気通信大学を含めた国立大学は今後いろいろな意味で厳しい対応を迫られることが予想されます。皆様のご努力により電気通信大学のさらなる発展を期待しております。皆様のご活躍、ご多幸をお祈りするとともに、最後にもう一度お礼を申し上げます。感謝とお礼情報・通信工学専攻 教授鎌倉友男つくば万博が開催され、電電公社がNTTに民営化、そして日航機が御巣鷹山に墜落するという痛ましい事故のあった1985年、その4月に縁あって電通大に赴任し、本年3月末まで29年間も永きにわたって皆様方に大変お世話になりました。生来、腰が軽い性格で、15年位の間隔で職場を変わるのが理想的との持論があり、一時期どこかに転職したいという思いが頭を過りました。しかし、電通大の地の利のよさや、事務職員の方々の親切・丁寧なサポートから居心地がよく、結局、本日まで勤めることになりました。先日、居室の棚から一冊の古い、既に廃刊になった「学園だより」が目にとまりました。その中に、新入生向けに、各学科の講師以上の教官の「ひとこと」が載っていました。既に退職された先生方のひとことがほとんどですが、機械系の先生方は自らの専門分野の記述という型にはまった紋切り文章で統一され、さすがにお硬い。それに比べて、自然科学系列の先生方のひとことは多種多様で統一性がなく、それでもひとことがおもしろく、学科の特徴がよく現れていることに今更ながら気づきました。そういえばそうだった「大学生活に早く慣れて下さい。しかし慣れ過ぎには注意を!」と当人が書いたことを。新入生には早く大学生活に慣れて、キャンパスライフを楽しむこと。しかし、あまり慣れすぎで留年し続けては困る、後で後悔しないように適度な緊張をもって4年間を過ごしてもらいたいと願って書いたつもりでしたが、書いた当人が留年し続け、こんなに長居をしてしましました。しかし、決して後悔はしていません。電通大の学生は前任校の学生と比べると総じて大人しく素直で、講義を行うのが嫌いな不肖な教員の小職でも勤まりました。大学院の時の恩師からは細かな研究指導を受けなかったことからその反面教師になり、一時期、手を取り、足を取って学生の研究指導をしましたが、それもしばらくの間だけで、結局は元の木阿弥。恩師の教育方針をそのまま引き継ぐことになり、ほとんどほったらかしの状態になってしまいまし

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