chofunetwork26-1
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9私は本年3月に任期満了で退任いたしました。この6年間、その前の学長期間を合わせると10年間にわたり、目黒会には絶大なるご支援を賜りました。心からの感謝の意を表します。電気通信大学の強みを教育研究活動以外の環境面で挙げるとすれば次の三つではないでしょうか。①東京に在ること、②小規模であること、③同窓会と一心同体であること。このことを最大限に活かすことによって、大学の本来の中身を充実させ、強くしていくことが効果的だと思います。同窓会は、大学のミッションである人材育成の成果を大学にフィードバックして大学の再生産を強化する循環機能の要であり、好循環、プラスの循環によって大学と同窓会が共に発展していく関係を築かねばなりません。ご承知のように、欧米の大学では、大学自身の組織の中に同窓会機能が組み込まれていることが多く、そもそも大学の経営にとって同窓会機能は不可欠なものと位置づけられています。例えば、フィンランドのアールト(Aalto)大学の例を見てみます。アールト大学は、ヘルシンキにあった165年以上の歴史を誇る三つの大学(Helsinki School of Economics, the University of Art and Design Helsinki, Helsinki University of Technology)が統合されて、2010年1月1日に新発足した大学です。アールト大学のホームページのトップのヘッダーには5つの項目が置かれています。電通大の場合、大学案内、学部・大学院など8項目が並んでいるものに相当します。アールト大学のトップ5項目の一つに、 Collaboration and Partners とあります。これをクリックすると、中はさらに5項目に分かれていますが、先頭に Alumni とあります。同窓生のネットワークを ALmuniNET と名付けて目黒会と同様就職の世話も含めた多彩な活動を展開していることが分かります。日本の大学の同窓会は、大学とは独立の別組織になっているのが通常です。その伝統を替える必要は全くありませんが、大学本体の機能強化のためには、同窓会の機能をさらに強化し、大学との連携を深める必要があります。同窓会と大学双方が意識を高め、共通認識を持つことが欠かせません。目黒会と電通大の関係は、恐らくどの大学にも勝るとも劣らない強い協力関係ができていると思いますが、上記のような諸外国の例と比較すればまだまだ弱い気がします。優れた学生のスカウトにも同窓会が協力しているようなことは日本では聞いたことがありません。本学は2018年に100周年を迎えますが、そのときにはオール電通大の力が結集され、次の100年に向けて勢いよく新たな出発ができるように盤石の基盤を作る必要があります。そこで、100周年記念事業とりわけUEC基金へのさらなるご協力とご支援を切にお願い申しあげます。大学を支える強い同窓会へ前電気通信大学長 梶谷 誠退任ご挨拶

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