調布ネットワーク 25-2
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40調布ネットワークVol.25-2目黒会広報委員会の方から標記の件でご依頼を受け迷いましたが、これから社会人博士を目指す方のご参考になればと思い、筆を執りました。1.動機今から20数年前、「頭の体操」で有名な多湖輝先生の「60歳からの生き方」という本に出会い、「一般に60歳あたりから老化退行現象が始まるが、精神的能力、特に抽象化、概念構成などの能力は60歳からも伸び続け、80歳あたりでようやくピークになる」ことを示唆する概念図(下図)がありました。(出典はStill. J. W. “Manʼs Potential”)統計的な根拠の程は分かりませんが、この図を見て自己啓発の重要性を感じていたのは確かです。私が社会人博士をめざして具体的な行動を起こしたのは65歳の時で、ある審査会でご一緒させて頂いた電気通信大学客員教授の前田隆正先生が、シニアで「博士(学術)」を取得されたことがきっかけでした。これまで組織人として、基礎研究や技術移転に関わる業務を通じ研究者との交流が多かったこと、要素技術と全体システムとの関係性や生態系に関心を持っていたこと、定年を心待ちにしていた知人が暇を持て余し、就職相談に訪れたこと等が社会人博士を具体化する後押し材料になりました。2.研究課題と大学院大学院受験でまず考えなければならないのは研究課題です。これまでの業務経験が生き、システム的な考え方が必要になるという観点から、産学官連携、マネジメント、最適化をキーワードとしました。次に、受験する大学院ですが、研究課題に合った指導教官の存在と社会人博士課程の受入が制度化されていることが必須条件です。また、授業料が比較的家計にやさしい国立大学、通学が苦にならない距離にある大学等の条件を考慮して、電気通信大学大学院の受験を決めました。 3.大学院受験資格の取得と受験私は他大学の学卒であることから、まず博士社会人博士の効用藤川 昇 (独)科学技術振興機構 産学連携アドバイザー電気通信学研究科システム工学専攻 H22年修了 特別寄稿

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