調布ネットワーク 25-2
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231 ICT成長戦略会議安倍政権は、大胆な金融政策、機動的な財政政策に続く、第三の矢として、「新たな成長戦略」を掲げ、本年6月に、「日本再興戦略」を取りまとめたところである。日本産業再興プラン、戦略市場創造プラン、国際展開戦略の3つのプランからなり、ICTの観点からは、「世界最高水準のIT社会の実現」が盛り込まれるとともに、様々な分野の成長に貢献する観点からICTの役割の重要性が記述されている。また、「日本再興戦略」に呼応する形で、IT総合戦略本部においても、新たなIT戦略である、「世界最先端IT国家創造宣言」が取りまとめられた。①革新的な新産業・新サービスの創出と全産業の成長を促進する社会の実現、②健康で安心して快適に生活できる、世界一安全で災害に強い社会、③公共サービスがワンストップで誰でもどこでもいつでも受けられる社会の実現を3本柱としている。総務省は、これらの政府全体の成長戦略に貢献する観点から、総務大臣をトップとする「ICT成長戦略会議」を開催し、グローバル展開を視野に入れつつ、ICTを日本経済復活の切り札として活用する方策等を検討した。「世界で最もアクティブな国になる」とのミッションを掲げ、①新たな付加価値産業の創出、②社会的課題の解決、③ICT共通基盤の高度化・強靭化をビジョンとした。①復興と防災、②経済成長、③外交・安全保障を取り組むべき課題とし、①くらしを変える、②新しいモノをつくる、③世界に貢献する、を3つの重要戦略と位置づけ、具体的なプロジェクトを検討した。具体的には、ICT成長戦略会議の下に8つの会議等を設け、検討を進めた。社会実装戦略として、超高齢社会対応、街づくり推進、生活資源対策に関連する3つの会議、研究開発戦略として、イノベーション創出委員会、新産業創出戦略として、放送サービスの高度化、情報セキュリティ、コトづくりなどに関連する4つの会議を設けた。各会議で共通していたのは、「スピードと実践」を重視し、成功モデルの提示と実証日本の成長戦略を担うICT ― ICTによる経済成長と国際社会への貢献 ―総務省 情報通信国際戦略局長 阪本 泰男資料1スマートテクノロジー・フォーラム(STF)2013が強調されたことである。(資料1)ここで議論されたプロジェクトは、「日本再興戦略」、「世界最先端IT国家創造宣言」に反映されており、平成26年度概算要求にも盛り込まれている。主なプロジェクトについては、後ほど紹介することとし、まず、ICTがマクロ経済的にどう位置づけられているかについて説明する。

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